錆び難いベアリング? [メモ]
※きのう書いていた没記事ですw
アルテグラのラインローラーが健全じゃなかったので先送りですが、残しておかないとメンド臭くなってやらなそうなので
NSK 日本精工から発売された新しいステンレス鋼を使用した高耐食ベアリングの入手性が良くなったので試してみます。
ボールベアリングは高耐荷重性が求められるので、通常は硬いステンレス鋼で造られていると思います。SUS440Cなどのマルテンサイトは硬いのですが錆びやすいんですよね、錆び難いオーステナイトのSUS304では硬度が足らないようです。
このNSKキャストップ高耐食ボールベアリングの素材は、新開発のTBN-6Hと言うマルテンサイト系ステンレスで、熱処理でSUS440Cよりも硬度が出せる上に耐食性も大幅に優れているそうです。以前にもNMBからGiga Protectionと言う高耐食ボールベアリングが発売されていて試してみたかったのですが、未だにどこで手に入るかも判らないです。
NMB Giga Protection:従来ステンレス鋼ベアリングよりも耐荷重は低い、従来ステンレス鋼ベアリングの20倍以上の耐食性。
NSK キャストップ:従来ステンレス鋼と同等以上の耐荷重性、従来ステンレス鋼ベアリングを凌ぐ飛躍的な耐食性。
自分のバイオマスターSWは水没上等の青物狙いで使っていて、ボディ内まで真水で濯いじゃうようなメンテで使用していますから、このキャストップが性能を発揮するにはピッタリの条件ですよねw
防錆目的でケース内にグリスを詰める必要もないですから、ベアリングのサイドシールを取り外し脱脂洗浄して極圧潤滑オイルで使用してみます。グリス潤滑とオイル潤滑ではベアリングの回転抵抗が全然違うから楽しみです。
回転の軽さ以外にもベアリング内部のグリスが海水で乳化と乾燥を繰り返して、グリス内に塩分の結晶を貯め込むことがないので寿命も延びそうです。
先ずはアジングで使うアルテグラのラインローラーベアリングに使って試してみます。
このリールの日常メンテは外側から冷水シャワーで塩分や汚れを流して、各ベアリングと注油口にナスカルブを吹き込むだけです。通常の使用でも容易に海水が入り込むラインローラーですから、キャストップ+サイドシール外し+ナスカルブで耐食性に難があるのでしたら、すぐにベアリングに錆が発生して回転が悪くなると思います。
自分の持っているバイオマスターSWは3台です。結果が良好ならこの3台のベアリングをキャストップに替えるつもりです。
10 バイオマスター SW6000&8000HG
ラインローラー SMR95A5-H-X 1ZZ (950ZZ)
ハンドルノブ 元側 SMR95A5-H-X 1ZZ (950ZZ)
ハンドルノブ 先側 該当なし 940ZZ
ドライブギア外側 SMR148A2-H-X 1ZZ (1480ZZ)
ドライブギア内側 SMR148A2-H-X 1ZZ (1480ZZ)
ピニオンギア前端 689A3-H-X 1ZZ (1790ZZ)
ピニオンギア後端 SMR117A-H-X 1ZZ (1170ZZ)
13 バイオマスター SW5000XG
ラインローラー SMR74A2-H-X 1ZZ (740ZZ)
ハンドルノブ元側 SMR95A5-H-X 1ZZ (950ZZ)
ハンドルノブ先側 該当なし (940ZZ)
ドライブギア外側 SMR137B-H-X 1ZZ (1370ZZ)
ドライブギア内側 SMR117A-H-X 1ZZ (1170ZZ)
ピニオンギア前端 687A5-H-X 1ZZ (1470ZZ)
ピニオンギア後端 SMR85A12-H-X 1ZZ (850ZZ)
AR-C AERO CI4+ 4000XGも磯に持ち込むのでバイオマスターSWの使用感が良好ならキャストップに交換しようかと思います。
気になるのはグリスの稠度に依存する回転の滑らかさ?みたいなものがオイル潤滑で失われて、軽いけどザラつくような感じになるんではないかと。ギアの潤滑には今まで通りにグリスを使うのでそこでいくらか吸収してくれるとは思うんですけども、こういうのはやってみないとわかりませんよね~
日立の社会イノベーション戦略が見えてきた。驚くのはハード面で
あり、ベアリング構造の産業インフラをナノ結晶へ置換し、摩擦損失を30%減らすというものだ。CCSCとかGICとかでてくるが詳くは、いかのURLの特殊鋼の論文を参照されたし。
http://www.hitachi-metals.co.jp/rad/pdf/2017/vol33_r03.pdf
by トライボシステム展望 (2017-03-27 19:38)
>>トライボシステム展望さん
トライボロジーは応用範囲がとても広いですから楽しみな分野ですね♪
ダイス鋼で発見した特性が合金中のCuとSの作用だとまで解明出来たのはすごいです。リールでもたくさん使用されているベアリングだけじゃなく、内部に使用されている超々ジュラルミンギアにも応用されるようになるかもしれませんね。
ダイアモンドとグラファイトのアモルファスをコートする技術などもリールには使われていますし、潤滑や防錆の進歩はどんどん取り込んでくれそうですよね。
by ej20k (2017-03-28 11:34)