チタンソリッドティップを使いやすく再改造してみる。 [メモ]
SKR-S682AJIのティップ折れ#1をチタンソリッドティップに再生したSKR改-M662AJI。チタンソリッドティップは感度が良くて乗せやすいものの、やっぱり先端にマスが集中しててコシが無いのでちょっと使いづらいです。もう少し掛けていく感じで使いやすくしたいので再改造してみます。
軽くするためにティップの超弾性形状記憶合金テーパー材を1.5-0.7/300mmを1.5-0.7/250mmに短縮。ガイドスレッドを極細糸に変更。ベンドカーブを改良するためにティップガイドのT-KTTG3.5を一個追加します。テーパー材自体も250mmの方が張りが有るのでガイドを増やさないでも良いかも知れませんが買っちゃいました。
先ずは300mmのテーパー材から再利用するガイドを外します。エポキシで固めてあるスレッドをカッターで削ぎ落として外します。 外したガイドは針やカッターできれいに掃除しておきます。
次はカーボンチューブからメタルソリッドを抜き取ります。これも次の機会に再利用できるように丁寧に外します。ビニールテープで養生してからプライヤーで押したり引いたり捻ったり・・・結局、抜けなかったのでカーボンチューブを切断しましたwあとでチタンソリッドからカーボンチューブ部分を削り取っておきます。
準備が出来ましたので作業を開始します。
チタンソリッドは製造上避けられないという僅かな反りがあるので、スピニングロッドでは反りの内側にガイドを並べるように向きに注意します。先ずは差し込まれるカーボンチューブと差し込むソリッドのクリアランスを見てみます。
結構スカスカなのでギャップを埋めるために太目のスレッドを巻いてエポキシで固めます。
差込長は1cm程でオートウェルドで固定します、カーボンチューブにも少し詰め込んで、差し込むスレッドにも塗布しておきます。
差し込んだら養生テープで真っ直ぐになるように仮止めして、重なってる部分をカーボンチューブ上からドライヤーで加熱して、ティップを下にして一晩硬化を待ちます。エポキシの流動性を上げてチタンティップの後端に溜まるようにすれば、テーパー形状のカーボンチューブ内で確りと固定できるかなと。
段差を埋めてきれいにベンドカーブを出させるためにウェットカーボンで補強と整形をします、ウェットカーボンはカーボン繊維にエポキシ樹脂を含浸硬化させた樹脂の事です。
必要ない部分はマスキングをしてからカーボンロビングを縦方向に並べ、上から更にX字に交差するようにテンションを掛けて巻き付けていきます。巻き付けても指で押さえてないと解けてしまうので、マスキングテープなどでカーボンロビングの恥を固定してしまいます。
綺麗に巻くのは難しいですが頑張ってしっかり巻けば大丈夫です。
カーボンロビングが巻けたらエポキシを含浸させていきます。繊維の隙間にキッチリと浸み込ませるようにドライヤーで加熱して筆で押さえたり、逆に圧を抜いて隙間にも浸み込むように工夫してみます。ビニールで密封して真空引きとかすればいいのでしょうけども、とりあえずはこんな感じでもスが入ることなく含浸できています。
一昼夜待って完全に固化して硬度が出てきたら、ダイヤモンドファイルなどで好みのテーパー具合になるようにウェットカーボンを削っていきます。後でまたエポキシで表面を綺麗に仕上げることが出来るのでそんなに神経質にならなくてもいいと思います。
綺麗にX字に巻きつけた繊維が見えてると嬉しいですw
ガイド位置を工夫してベンドカーブを改良くしたいので、まずはティップガイドと5番ガイドを接着します。ここは変更することはないと思うのでスレッドを巻いてウレタン含浸させてキチンと仕上げます。
一晩置いて硬化したら2番3番4番ガイドを仮付けします。仮付けの間隔はfujiのカタログのティップガイドの並べ方を参考にしました。
Top-95mm-2nd-100mm-3rd-105mm-4th-110mm-5thで合計410mmになる参考値を、今回の実測値Top-250mm-5thに当てはめてみました。
チタンソリッドに薄型両面テープを巻いて、両面テープ上にガイドを貼り付けて、その上から5mm幅の紙ベースのマスキングテープできつく巻きます。
コレは実際の装着時にはガイド固定でスレッドをエポキシで固めるのでその分曲がりにくくなるティップを仮想しています。
仮付けをしたガイドに糸を通して負荷をかけてベンドカーブを見てみます。ちょこちょこと数mmガイドを前後させてベンド具合を調整します。
大体よさげですね。位置を記録したら仮止めを剥がして脱脂し直します。
今回は飾り巻用の銀糸の細糸が無かったので単色で巻きました。
軽く仕上げたいので短く巻いてエポキシも薄付けで固定します。少しでもガイドにズレがあるとかなり気になるので、キレイに直線に並ぶように位置出しを丁寧にします。
ベンドカーブはこんな感じで良い感じに仕上がってくれました。素振りをしたときのティップの収束も改良前とは比べ物になりません。速く実戦で使ってみたいです
全長は192cm=6ft3inになったので、名前はSKR改-M632AJIと呼ぶことにします。
チタンティップを検索してこのブログに来てくださる方が結構居るようですね。
ロッドの修理や改造はやってみれば簡単ですし、失敗しても何度でもやり直せるので先ずはやってみるのがオススメです。
ガイド取り付け用スレッド:ジャストエース ポリエステルダルスレッド
スレッドボビンホルダー:OFT
二液式エポキシ樹脂:ジャストエース エポキシコート JEC-40
エポキシ薄め液:ジャストエース エポキシうすめ液 JUS-100
エポキシ洗浄液:東方産業 スケルターワークス ツールクリーナー
これだけ有ればあとは自宅にあるような文房具でガイド交換は出来ます。適当な改造ベースが手元にあるならロッド改造も試してみるといいとおもいます。
チタンティップ:吉見製作所 超弾性形状記憶合金テーパー材
ガイド:富士工業 トルザイトKガイド
カーボンロービング:Torayca T300 カーボンロービング 3K
道具も素材もネット通販で手に入りますよ
関連記事:カーボンソリッドティップをチタンソリッドティップに改造してみる。
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